テレビドラマやアニメなどで、
探偵を題材にしたストーリーをよく目にすると思います。
殺人事件などの難事件を、
探偵が華麗に解決していくストーリーはもはや定番と言っても良いでしょう。
では、実際の探偵は本当にこのような仕事をしているのでしょうか?
探偵と言う業界は、多くの方にとって接点がなく実態が良く分からないと思いますし、
知人に探偵がいる方もほとんど居ないと思います。
そのため、探偵という業界がどのような仕事をしているのかは、
ある意味謎に包まれていると言っても良いでしょう。
今回は、現役の探偵の方にお話をお聞きすることができましたので、
実際の探偵の方が行っている仕事内容や依頼内容をお伝えしたいと思います。
今回お話をお聞きした探偵は、こちらの探偵事務所になります。
https://www.nagoya-ai.com/
一言で探偵と言っても、得意分野があるそうですので依頼内容が異なることもあるそうですが、
ある程度の参考にはなるのではないでしょうか?
テレビドラマやアニメなどと異なり、
探偵が殺人事件などの重大事件の調査をすることは基本的には無いそうです。
そもそも、警察には法的な捜査権が認められていますので、
強制的に証拠品を押収できたり取り調べを行えるなど、
探偵にはできない捜査が行える権限があります。
また、市民からの信頼もありますので、
防犯カメラやドライブレコーダーなどの映像の入手が比較的簡単であるだけでなく、
目撃者からの情報提供も得られやすい傾向にあります。
それに対して探偵は、法的な調査権が認められていませんので、
強制的に証拠品を押収したり取り調べを行うことは出来ません。
また、探偵は信頼性も低いため、トラブルに巻き込まれたくないと思う方も多く、
防犯カメラ映像の提出や目撃情報の協力も得られにくい傾向にあるそうです。
つまり、警察が捜査を行っても解決できない事件を探偵が解決することは
かなり難しいと言えるそうです。
また、殺人事件などの重大事件では、
警察は100人以上の捜査員を動員して捜査が行われることも珍しくありませんが、
このような調査を探偵が行った場合にはかなりの金額になってしまうため、
探偵が同じような調査を行うことは現実的では無いそうです。
探偵が受けている依頼内容は、
民事事件の証拠収集が中心となり刑事事件の調査を行うことは少ないそうです。
最も多い依頼内容は、浮気や不倫などの慰謝料請求に関する調査になり、
その他には金銭トラブルに関する調査が多いそうです。
また、結婚相手の調査や取引先企業の調査なども多いようです。
ただし、結婚詐欺に該当するような男女間での金銭トラブル、
ストーカーが疑われる行為、虐めや嫌がらせ、横領や従業員の不正行為など、
刑事事件に該当する可能性があるものの
警察が積極的に動いてくれないトラブルに関しては、
一定数の依頼があるそうです。
実際の探偵が行っている仕事は、
重大事件に関わるものは殆どなく、
身近な問題が多いと言っても良いでしょう。
テレビドラマやアニメでは、探偵が変装してパーティーや自宅に潜入したり、
盗聴や盗撮などをしている姿が描かれていますが、
このような調査方法は基本的に行われていないそうです。
探偵も一般市民と同じように法律を守る必要があるため、
違法性がある方法で調査を行うことはなく、
法律の範囲内で調査を行う必要があります。
自宅や勤務先などに正当な理由なく立ち入る行為は、
住居侵入罪に問われる可能性が高いですし、
室内などに隠しカメラを設置することは迷惑防止条例違反に問われる可能性があるそうです。
また、変装などを行うことは良くあるとのことですが、
スーツから作業服に着替えたり、眼鏡、帽子、マスクなどを用いることが大半で、
テレビドラマのような特殊メイクを行うことは無いそうです。
実際の調査では変装に時間が取れないケースが大半で、
そのような変装を行うよりも調査員を交代するほうが現実的とのことです。
探偵が証拠として撮影を行う場合には、
マンションやホテルなどの出入りを公共の道路上などから撮影したり、
コインパーキングの車内から撮影を行うことが一般的なようです。
また、ホテルや施設内で撮影を行う必要がある場合には、
宿泊料や施設の入場料などの支払いをすることで、
住居侵入に問われないように注意しているそうです。
その他、潜入捜査として、スポーツクラブに入会したりお見合いパーティーに参加するなど市、
他使用者に接触したり第三者から情報収集を行うことはあるそうです。
テレビドラマやアニメでは、探偵がハッカーのようにことをして
情報を得ているシーンもあると思いますが、
このような行為も不正アクセス禁止法に反するため、
探偵が行うことは無いそうです。
ただし、マッチングアプリやSNSなどでコンタクトを取ることは少なくないそうです。
依頼者によっては、違法な方法でも証拠を取ってほしいと言われる方もいるそうですが、
違法な方法で取得した証拠は裁判で認められないことがあるだけでなく、
損害賠償を請求されてしまう可能性もあることから、
最終的に依頼者の利益にならず不利益を被るリスクが高いそうです。
まさに、「諸刃の剣」となってしまいますので、
お客様に丁寧に説明をして理解をして頂いているそうです。
それでは、テレビドラマや漫画の探偵が全て現実離れしているかと言えば、
必ずしもそのようなことは無いそうです。
実際には多少異なる場合もあるようですが、
同じような調査方法を取っていることも少なくないそうです。
尾行や張り込みなどの調査方法は、
実際の探偵でも日常的に行われているそうです。
具体的な方法は、テレビドラマやアニメなどとは大きく異なるそうですが、
同じようなイメージを持っていただいて構わないそうです。
また、隠しカメラを設置することも少なくないようですが、
他人の所有地には立ち入らず公共の場所に停めた自転車などに設置することもあれば、
土地の所有者に許可を取って設置することもあるそうです。
その他、インターネットを利用した調査も最近では増えてきており、
SNSなどに投稿されている写真を解析するなどして必要な情報を取得することもあれば、
第三者のサイトに掲載されているものから情報を得ることもあるそうです。
また、GPS発信機を利用した方法は一般的に行われており、
浮気調査などでは多く使われているそうです。
GPSの使用を規制する法律は、ストーカー規制法のみとなるそうですので、
自己所有(共有財産である配偶者の車も)の車の場合には
ストーカー目的で無ければ違法性はないそうです。
ただし、プライバシーの侵害と判断されることもあるそうですので注意が必要なようです。
探偵のイメージとして、特殊な人脈がありそこから情報を入手したり、
パソコンを利用して簡単に情報を手に入れていると思っている方も多いようですが、
実際には非常にアナログな方法で根気強く情報を入手しているそうです。
個人情報の保護が厳しくなる20年以上前であれば、
情報屋と呼ばれる業者から仕入れた情報を基に調査を行っていたそうですが、
個人情報保護法が施行されてからは調査方法が大きく変わったそうです。
現在では、情報の提供をした側はもちろん、
情報の提供を受けた側も罰せられる可能性があることから、
最終的に依頼者のリスクが大きいため行っていないそうです。
情報の入手方法は、尾行、張り込み、聞き込みはもちろん、
広く一般に公開されているものから得てえることが多いそうです。
具体的な入所場所や方法は教えてもらえませんでしたが、
多くの手段から利用できそうなものを選び、
一つずつしらみつぶしに調査を行っているとのことです。
また、証拠収集に関しては、
何日も張り込みや尾行を行い証拠となる行動を撮影することが多く、
調査には非常に時間と労力がかかっているそうです。
探偵と聞いて初めはなんだか怪しいイメージを持っていましたが、
実際にお話を伺った後では印象が大きく異なりました。
個人的な先入観としては、
少し怪しい人が違法すれすれの方法で営業をしていると思っていましたが、
意外にも法律を厳守してクリーンに調査を行っていると感じました。
探偵の方も仰っていましたが、現在の探偵は裁判の証拠収集が業務の中心となるそうで、
意味がある証拠収集を行うためには法律を厳守する必要があるそうです。
ただし、全ての探偵がクリーンに業務を行っているかと言われれば疑問があると仰っていました。
思わぬトラブルに発展することがあるだけでなく、
高額な調査料金を請求されたと言う話はよく聞くそうです。
探偵を利用する時には、
信頼できる業者を見つけることが大切なのかもしれません。